乾癬は、赤い発疹が生じた後に、白いフケに似たものができる慢性疾患で、感染性の疾患ではありません。爪の変形、頭皮の症状、関節炎などが起こることもあり、体質の問題に加えて、ストレス、喫煙、飲酒、薬剤、日光、脂質異常症、糖尿病、肥満などの環境要因が複合することで発症するとされています。
摩擦が起こりやすい頭、肘、膝、お尻に発疹が生じることがありますが、別の部分でも生じる恐れはあります。
発疹のサイズ、形状、数には個人差があり、症状に応じて複数のタイプに分類されます。
乾癬のタイプ
尋常性乾癬
くっきりと境目が分かる赤みが生じ、かさぶたができます。
滴状乾癬
小さなかさぶたと赤みが複数生じます。
膿疱性乾癬
尋常性乾癬の症状に加えて膿が生じます。ただれや発熱の症状が現れ、入院が必要になることもあります。
関節症性乾癬
尋常性乾癬の症状だけでなく、足、腰、指に関節変形や関節痛の症状が起こります。皮膚症状は少ないこともあります。
乾癬性紅皮症
全身に皮膚症状が起こり、強い赤みが生じます。
原因
明確な原因は不明ですが、複数の要因の影響があると言われています。家族の病歴や体質、感染、ストレス、薬剤、ケガなどの物理的衝撃が関係していると考えられています。また、免疫異常によって免疫システムが乱れると、皮膚疾患が起こることもあります。
乾癬の症状は改善・再燃を繰り返して長期化します。擦ったり掻きむしったりすると悪化するため注意が必要です。乾燥予防も心掛けてください。また、睡眠不足や暴飲暴食といった生活習慣の乱れやストレスによって悪化することもあります。
治療
当院では、保険適用となる外用療法と内服療法に対応しています。改善・再燃を繰り返すため、症状を緩和して皮膚の健全な状態をなるべく長期間維持できるように、定期的な受診が必要です。
外用療法
ビタミンDの外用剤、ステロイド剤、これらの混合剤を処方します。病変が広い範囲に生じている場合には、ビタミンDの副作用として高カルシウムの懸念がありますので、こまめに血液検査を実施して経過を観察します。
昨今は、シャンプータイプ(コムクロシャンプー)、泡タイプ(ドボベットフォーム)といった利便性が高く治療効果を期待しやすい製品も普及しています。
内服療法
外用剤で効果が不十分なケースや、病変が広い範囲で生じているケースでは、アプレミラスト(オテズラ錠)やチガソンなどの内服をご案内することがあります。
日常生活で気をつけること
- 規則正しい食事、睡眠を意識してください
- なるべく毎日入浴するようにしましょう
- 皮膚になるべく刺激が加わらないようにご注意ください
- お酒とタバコはほどほどにしましょう
- スポーツや趣味でストレスを発散しましょう
- 風邪などの感染症にかからないように注意しましょう
- 毎日体重を測って体重をチェックしましょう
- 日光をこまめに浴びるようにしましょう